“地上の別れ”に至る天才・太宰治の全軌跡。
時代を超えて読み継がれる天才作家・太宰治。太宰の青春時代を描いた前作『辻音楽師の唄』に続く太宰治伝・完結編の下巻。
後に『斜陽』を書くきっかけとなった女性、太田静代との劇的な出逢い、『如是我聞』における志賀直哉への罵倒の真相、井伏鱒二との師弟関係、そして山崎富栄との“地上の別れ”に至るまでの晩年を克明に描く。
同じ津軽地方出身で直木賞作家である長部日出雄が、太宰への特別な愛情と深い理解を両輪にして描いた力作で、第29回大佛次郎賞、第15回和辻哲郎文化賞を受賞した長編評伝。