医者の名家を飛びだし、長崎にて最新医学を修得して、科学と推理により犯罪を解き明かす、異能の医師・沢村伊織。
そんな伊織がかまえる町場の診療所へ、ある男の死が伝えられる。男は商家の番頭で、どうやら妾の家で腹上死してしまったらしい。
いささか体裁は悪いものの、よくある不幸な出来事だと判断したのもつかの間、死んだ番頭が告げていた素性は、すべてでたらめなものであった!
俄然、謎を深めてきた変死事件は、思わぬところで質屋にまつわる驚愕のたくらみに繋がっていくのだが……。
謎が謎を呼ぶ怪事件に、伊織の推理が閃く。シリーズ・第九弾!