昭和20年10月30日、連合軍の九州上陸と時を同じくして、ソ連軍は朝鮮半島及び北海道北部に侵攻を開始した。だがその五日後、米軍は平壌と札幌を目指すソ連軍の目の前にそれぞれ原爆を投下。それは極東地域を共産主義の毒牙から守るために、合衆国がソ連へ送った事実上の最終警告だった。一方、九州中部へ進攻を開始した連合軍上陸部隊を航空支援すべく日向灘に展開していたハルゼーの機動部隊を襲ったのは、帝国陸海軍の猛反撃だった。九州北部や四国に温存されていた陸海の特攻隊が総出撃。剣・零戦・飛燕などの航空特攻機、臥龍・蛟龍の潜水特攻隊の怒涛の攻撃の中、桜花・回天の突入がハルゼー艦隊に壊滅的な打撃を与えることに成功したのだ。航空支援を受けられず、進攻の止まる連合軍。満を持してそれを迎え撃つ決戦兵団。兵力に勝る帝国軍と装備に勝る連合軍との戦いは、遂に地獄の地上戦へ突入した。書下ろし長編戦記シミュレーション。