昭和19年、敗戦必至の日本軍は絶対国防圏死守に活路を見い出すべく、マリアナ諸島に戦力を進めた。全軍を統帥する山本五十六元帥は自ら最前線の指揮を執るためサイパン島に進出、鬼謀を巡らせてアメリカ軍に対峙する。タポチョウ山とハグマン半島には海軍陸戦隊の精鋭および陸軍第三一軍と第四二師団が展開し、近海には小沢機動部隊ならびに角田第一航空艦隊が、そして戦闘海域には戦艦『大和』を擁する栗田艦隊、神重徳少将率いる第五艦隊らが鉄壁の防衛態勢を布いていく。だが、それをものともせず続々と攻め寄せてくるアメリカ艦隊は空母10隻。その数は、実に日本軍の数倍の戦力だった。戦艦の砲撃による大海戦、戦闘機同士の格闘戦、そして陸戦による熾烈な戦い。日米の総力を挙げた激闘の奇跡の結末とは?本格架空戦記シリーズ完結編。