死の淵からよみがえり、天皇から陸海軍の統帥権を託された山本五十六を統合司令官と仰ぐ日本軍は、絶対国防圏を死守すべく、ついにマリアナ決戦へと動き出した。神重徳少将率いる旧式戦艦部隊が、迫り来るスプルーアンス機動部隊を陽動。その間にリンガ泊地から出撃してくる小沢機動部隊を待って、テニアン島に展開する角田中将の基地航空隊が共同で米艦隊を殱滅し、さらに小畑中将の陸軍第三一軍が陸上から敵の上陸軍を迎え撃つという、陸海軍の総力を挙げた作戦だった。だが、陸軍と海軍の軋轢を危惧する山本は、作戦の完遂を確たるものにするため自ら最前線に赴き、防衛戦の指揮を執ることを決意。波号潜水艦に乗り込んで秘かにサイパンに向かう。軍神のもとに集う名だたる知将、勇将、闘将たち。死をもいとわず危地に身をさらす山本の執念に、提督たちの熱き思いは結実するのか?本格派架空戦記シリーズ第二弾。