結城仁左は美杉藩江戸屋敷で御典医を務める蘭方医・鏑木玄斎の弟子。北関東にある国許の藩校で優秀だった仁左は江戸に呼ばれ、蘭方の医術を学ぶ日々だった。そんな折、藩主の娘・華也姫が気鬱の病に伏せってしまった。なぜ急に病になったのか、そのわけは不明。仁左は原因を探るため、姫が入りびたっていたという書庫を調べるが、そこにひそんでいたのは掛け軸に封じられた淫魔王の娘・綾香だった。綾香と情交し、あやかしの絶大な力を授かった仁左は、華也姫の気鬱を治すべく、姫の寝所へと赴くことになるのだが、そこで姫が見せた振る舞いは……。大好評、書下ろし長編時代シリーズ、第三弾!