「巡見使として余の名代となり、諸国を巡って来てくれ」──将軍吉宗直々の命を受けた稲生新九郎は、改革の成果を見定めたいというその願いを叶えるべく、江戸を出立。気品ある出で立ちで凜として佇む旅装の新九郎は、川村源右衛門、篝、三浦左平次の三人の供を従え、中山道を信州に向かった。そして、世直し旅を続ける中で、一分の真も持ち合わせぬ邪悪には、吉宗から拝領した名刀、小龍景光を振るうのだった。そんな一行をよそに、江戸では新九郎の出生をめぐって、吉宗が衝撃的な真実を知る。その過去を知らせるべきか否か──。ついに吉宗は、新九郎に対する熱い想いを語る!葵の書付をかざす天下無敵の隠密巡見使、その華麗なる活躍を描く好評シリーズ、待望の第二巻!!