三千石取りの大身旗本の庶子として育ち、無頼を気取りながらも、直心影流の剣客として精進していた一色綾之丞──。だがこの綾之丞には、出生の秘密があった。幕府隠密のお蝶に、将軍の世嗣・徳川家慶のお手がついて生まれた子だったのだ。複雑な生い立ちとともに、思慕を抱いたお蔦は叔母、うるさがっていた阿久里は妹であったことも判明する。そんな綾之丞が、腕を見込まれ、父・家慶の警護を頼まれた。優れた剣客であることを知らしめる機会だと請け負ったが、これが、周囲の者を巻き込む事件を引き起こす。そして、お蔦や無二の親友・飛鳥総十郎の運命も背負った綾之丞の剣が、衝撃の結末を招く──!! 将軍家御曹司の純な情熱と熱い躍動を描く、好評シリーズ、第二弾!