馴染みの居酒屋『ひさご』でひとり飯を食べる、末広喜十郎。北町奉行所の例繰方同心でありながら、同僚からは『ぼんくら』などと揶揄される冴えない男だ。だがこの喜十郎、見かけとは違い、難事件を鮮やかに解決するという、意外な才をもちあわせていた。そんな喜十郎に惚れてしまったのが、ひさごの女中として市井に下ってきた、徳川の姫・お松。たがいに惹かれあうふたりであったが、紆余曲折を経て、別々の道を進んでしまう。そしていまや、奥州の若殿の許婚となったお松であるが、ふとした瞬間に思いだされるのは、喜十郎の顔ばかりであった……。同心と姫の運命の恋路を描く、大人気シリーズ。待望の第七弾!