柏手菊之介は、町の質屋・丸勘で働く、手代見習い。ややもすれば、慇懃無礼にも思える言動だが、その頭の回転の速さとあざやかな剣の腕前で、さまざまな難事件を解決してきた。この菊之介という男、じつは名門旗本として名高い、柏手家三千石の跡取りで、つまりは本物の若さま。大目付である父の柏手信濃守により、市井の人生修行に出されたのだ。商売や事件の探索、いろいろな人々との触れあいを経て、じょじょに成長していく菊之介であったが、そんなある日、友である目明かしの長作が、とんでもない危機に陥ってしまった…。友の命を救うため、若さまが獅子奮迅の活躍を魅せる。シリーズ第三弾!