一般庶民から江戸の通人、金持ち商人のあいだで広く愛される居酒屋『みつば』。その魅力は、酒と肴のうまさだけでなく、主人・勘兵衛の人柄にあった。まじめで平凡な中年男の勘兵衛であるが、豊富な酒の知識とともに、ときおり見せる腕っぷしの強さもなかなかのもの。しかも、どれだけ飲んでも酔わないという、まこと不思議な人物であった。そんな勘兵衛のもとには、いつの日からか、さまざまな厄介事や事件が持ち込まれる。それもそのはず、かつての勘兵衛は『鬼』と呼ばれた猛者で、将軍家慶の小姓を務める歴とした侍だったのだ。うまい酒とともに、快男児の活躍を味わうシリーズ第二弾!