朝廷と幕府が手を携えるために──。従四位下の官位を有する六條頼母が、江戸へ下向し徳川へ仕えよと、下命を受けて丸一年。帝から粟田口の細太刀の拝領を賜り、関白から菊と葵の刻印入りの道中手形を贈られた頼母は、美貌の公家侍としてさまざまな騒動に巻き込まれては、並外れた剣術の腕前を披露する日々が続いていた。とある日、駒込にある破れ寺が賭場になっていることを知る。そこへ押し掛けたやくざものを追っ払ったものの、一件落着とはいかなかった。破れ寺がとんでもないものに変貌してしまい、寺社奉行をも巻き込む大騒動に発展するのだ。御出入り勝手の身を活かし、怒りの剣をふるう頼母は、江戸の安泰を守れるのか……。大人気シリーズ、第三弾!