つらい仕事をぼやき、ため息混じりにとぼとぼと街を歩く北町奉行所の同心、亀無剣之介。
冴えない風貌で周囲にはもちろんのこと、ときには事件の下手人からも軽んじられるが、なにを隠そうこの男、とんでもなく頭がよく、しかも執念深く悪を追いつめるという、天性の捕方同心とでも呼ぶべき男なのであった。
今回、剣之介と相対するのは、腕のよい鏡職人、人気の町火消し、まじめな蕎麦屋。
それぞれ完全犯罪となりえる完璧な犯行であったが、それらを超越する剣之介の頭脳が、犯人たちの計画をこなごなに砕いていく。しかもその果てには、剣之介と因縁深い男との思わぬ決闘が待っていたのだが……。
傑作シリーズ、待望の新作!