北方の守護者。神の使徒。悪魔の子ら。
悪魔が人類の隣人として振る舞っていた時代。魔術師のダヤンと屍人形のアリアは、悪魔退治を生業としながら、旅を続けていた。
ダヤンの目的はただ一つ。己が手をかけ、屍人形にしてしまったアリアを生き返らせること。そのためには、アリアの父親にして、ダヤンの魔術の師であるオスカーを捜し出さなければならない。かつての記憶を失った彼女に真実を打ち明けられない制約を抱え、自分を殺した仇と憎まれながらも、ダヤンは自分を押し殺し露悪的な人物を演じていた。
わずかな情報を頼りに訪れた北の街。そこでは教会の厳しい戒律により、魔術が禁止され魔術師が弾圧されていた。魔術師である親が処刑され、孤児となった子供が悪魔の子と罵られる歪な街。アリアは一刻も早くこの街から去ることを提案するが、ダヤンはやっと得られたオスカーの手がかりに拘り続ける。しかも、街の教会では奇妙な毒が蔓延する事件が起きているようで、いっそう魔術師に対する教会の目は厳しい。そんな中で、ダヤンたちは北国最強と謳われる異端審問官に目を付けられてしまうのだが……。
悪魔を喰らう魔術師と哀れな屍人形の旅路。忘却の果てに垣間見る、魂と契約の物語第二集。
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