壮大なスケールで展開する鞍馬天狗の最終章。
深夜、江戸伝馬町の牢から一人の脱獄囚が夜の闇に消えた。だが、その真意は公儀大目付による“泳がせ”――。
探索に乗り出した鞍馬天狗に、脱獄囚を追尾するもう一人の男が襲いかかり、彼らは横浜関内の異人屋敷へ逃げこむ。そこで頻発する奇怪な事件から、場面は神戸へ、そして上海へと広がっていく。長州戦争を目前にしてせめぎあう幕府と長州、暗躍する鉄砲商人など壮大なスケールの物語が展開していく。
時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔が厳選した傑作シリーズの最終第五弾。解説も鶴見が特別寄稿。
※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。
なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。