江戸から東京移行時代を描いた幕末維新絵図。
江戸が東京に変わると大名たちは国許へひきあげ、夜の街にはひと気が消えた。
傍若無人な浪人たちや錦旗を楯にして横暴な官軍。また幕府に殉じようとする老武士や函館戦争へ参じて帰らぬ夫を待つ若い妻など時代の狭間に蠢く人々が仔細に描かれる。
そんな折、市井の人となった鞍馬天狗は、ある夜、巡邏の者に襲われ、思わぬ事件に巻きこまれる。時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔が厳選した傑作シリーズの第3弾。
※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。
なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。