義父の十一代将軍家斎の密命を受け、江戸の平和のために命を賭ける隠密剣豪・松平竜之介──幕府御用金三万両強奪事件を見事に解決した竜之介であったが、その平穏は続かなかった。
深夜、鬼面を被り両の乳房を剥き出しにした男装小姓の辻斬りを目撃したのである。さらに自害しようとした美しい武家娘を救ったことから、竜之介は政争の渦中に飛びこんでしまった。
果たして、鬼面の男装小姓の正体は?〈秘唇帖〉とは何か?
娘兵法者や健気な武家娘、仇討ち御殿女中、女凶賊らと関係しながら、豪剣を振るう竜之介は奇怪な事件の核心へ迫ってゆく!
書下ろしシリーズ、妖艶溢れる十六巻目!!