江戸へ戻るや否や、将軍家斎の命により、神君家康公の「拝領猿」を取り戻し、二百年前の罠を見事に解決した正義の浪人若殿・松平竜之介。やっと平穏な生活に戻れると思いきや、信じ難い事件が江戸を震撼させる。「羅切魔」と呼ばれる集団が、なぜか“立派なもの”をもつ男を次々に斬殺しているというのだ。しかもこの悪党は、富商も襲い、「赤地蔵」を奪っているという。果たして目的の異なる二つの事件の共通点とは?そこには、邪教団の恐るべき野望が……。日の本一の艶福家・竜之介は、ついに自らが的となって、最凶の外道に相見える!完全書下ろし、切迫の第九巻!!