小塚伊十郎は父の後を継ぎ、将軍家の甲冑を管理修理する具足奉行を拝命したばかり。そんな伊十郎が、初めて入った具足蔵の鎧櫃の中で見つけたのは女物の鏡だった。それは、神君家康の正室・朝日姫の心を宿した魔鏡で、鏡の邪気に操られた伊十郎は、上役である留守居の娘・桔梗を凌辱してしまう。下級旗本である伊十郎の狼藉が知れれば切腹もの。だが、そんな伊十郎の窮地を救ったのは、ひょんなことから手に入れた脇差の鞘に宿る九十九神の沙耶だった。
魔鏡の正体をつかみ、その力を封印すべく埋葬しようとする伊十郎たち。だがその矢先、鏡は何ものかに盗まれ。直後から、武家娘が手籠めにされる事件が立て続けに起こった! 大好評シリーズ第三弾!