天保十年一月、大悪党・蝮の峰吉を取り逃がすという失態をおかした定町廻り同心・和藤田三次郎はふと立ち寄った湯屋で。峰吉らしい人物を発見。尾行の結果、根城を見つけるも、踏み込む寸前に下手人が消えるという、なんとも不可解な殺しが起きる。さて、そこで現れるのが、水戸家の要請で江戸に下ってきた京のお公家さま・飛鳥業平。中納言という高貴な身分でありながら、難事件の探索がなにより好き、という変わり者。今までにもさまざまな謎を解いてきた業平は、三次郎たちが見逃していた盲点を鋭く指摘するのだが……。公家であり名同心である業平の、絶妙な推理と鞍馬流の秘剣が、ますます冴えわたる!大好評のシリーズ第四弾。