あらすじ版木職人の丑松は、女房に逃げられ、四人の子供を抱えて鬱々と暮らす男やもめ。ある日の仕事帰り、丑松は、源森川に身投げした女を身を挺して助け、八軒町の長屋に連れ帰った。綾乃と名乗った女は町方では見たこともない美貌で、あきらかに武家の新造。しかも綾乃は誰かに追われている様子だった。穏やかで優しい綾乃が長屋で過ごすうち、丑松は次第に叶わぬ幸せを夢見るようになる。だが、そんな矢先、丑松の願いを打ち砕くように凶悪な追手が長屋に現われた…。勤めは有能だが筋金いりの度忘れ癖が玉に瑕。