2014年、アメリカ合衆国は原子力空母ジョージ・ブッシュを中心とする艦隊を、中国の庭先である黄海に進出させた。これはある意味で中国を陰であやつる中央軍事委員会の長老にとって好都合だった。中国は最強と自負する北海艦隊を出動させ、ここに米中軍事対決の危機が訪れた。しかし米国も中国の狙いを読んでいた。戦いは中国の空爆から始まった。だが第7艦隊のイージス艦のミサイル網により、その大半は撃墜された。次いで中国は沿岸基地から地対艦ミサイルを大量に発射した。これは飽和攻撃を呼ぶもので、アメリカ海軍の迎撃ミサイルを弾切れに誘う作戦だった。この攻撃により空母ブッシュは被弾。イージス艦にも被害が続出した。しかし、アメリカは第二、第三の策を有していた。海底にひそむ原子力潜水艦からトマホークを中国軍基地めがけて発射したのである。これにより基地は壊滅的打撃を受け、中国の反撃は終わった。軍事アナリスト高貫布士がデータを駆使して10年後の危機を予測するシミュレーション戦記。果たして驚愕の結末とは。