柿沢琢馬は御家人の次男、いわゆる厄介者である。ふた月前、辰巳芸者・珠樹の手ほどきで男になったばかり。それどころか幼馴染みの小雪、類い希なる美貌の女剣客・澪とも肉の関係を持ってしまった。ある日、大川に女の水死体が上がった。女の内腿に彫られた龍の刺青、琢馬はそれに見覚えがあった。前夜、偶然助けた女の背中にも同じものがあったのだ。同心の娘である小雪は女の身投げに不審をいだいて探索をはじめ、琢馬もそれに加わることになる。一方で、澪が師範代を務める道場が卑劣な道場破りに襲われ、澪の身にも危険が迫っていた。果たして琢馬は事件を解決し、澪の身を守ることができるのか……? 待望の書下ろし時代シリーズ第二弾!