一人の男が江戸の町を歩き回り、人捜しをしていた。浪人風情だが、飄々として端正な顔立ちである。実はこの男、御三家筆頭、尾張藩九代藩主にして次期将軍候補でありながら、大名暮らしを嫌い、深川の居酒屋に住まう徳川宗睦、その人であった!そして探していたのは、田沼意次邸に預けられたのち、行方知れずとなっていた十代将軍家治の娘・春姫で、上様から直に乞われて町中を捜していたのである。だが計らずも、大根を売りに来た美貌の娘が春姫であると判明。宗睦は早速、親子対面を叶えようとする。一方、楯突く田沼は姫を利用し、両替商や町奉行らを取り込み悪巧みを謀っていた。それを知った宗睦と春姫は一致団結、意外な報復法を思いつく!好評シリーズ、第四弾!