失踪事件の裏に都市伝説の噂あり――。
若い女性が次々と犠牲になった「北関東連続バラバラ殺人事件」から半年。奇妙な事件が後を絶たない韻雅町で新たに発生した女子高生失踪事件。
韻雅町西署の刑事、時田英臣と恩野美奈の二人は捜査に乗り出すも、消息を絶った女子高生・草薙勾玉は絶世の美貌を持ちながら、その中身は突拍子もない陰謀論や、馬鹿げた都市伝説、歪んだ哲学に傾倒している生粋のオカルトマニアで、偏屈者として有名だった。
学校内で「破滅的な美女(クラッシュビューティー)」というあだ名がつけられるほどで、その奇矯さから同級生に友人と呼べるような相手がほとんどおらず、捜査は難航する。
勾玉の後輩で唯一の友人だった桜井道隆にも彼女の行方についての心当たりはなかったが、聞き込みにやってきた時田との予期せぬ接点から捜査への協力を申し出るのだった。
勾玉の行方を追う道隆たちは、やがて彼女が失踪前に興味を示していた「異世界に行く方法」の噂から、都市伝説になぞらえた陰謀の存在に迫っていく――。
第10回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞のフォークロアミステリー第2弾!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。