「もく星」号事故解明のキーマンに迫る!
昭和27年4月9日、日航定期便福岡行き「もく星」号は、羽田を離陸した20分後になぜか突然消息を絶った。
その大惨事から13年後、「もく星」号墜落事故の原因究明にあたる宗介たちは、事故報告書にあった「事故の原因は、乗員全員死亡により確認は困難で、航空管制の不手際その他、何らかの間接原因に基づく操縦士の錯誤」という記述に目をとめた。さらに、“何らかの間接原因”と“操縦士の錯誤”との因果関係に着目し、報告書作成時のキーマンだった原社長に辿り着く。そして、当の原社長から真相を探ろうと小枝が何度か面会に臨むのだったが……。
筆者代表作「日本の黒い霧」などと同様に、昭和の“謎”事件の真相を解明するため、記録的手法を導入して挑んだドキュメンタリータッチの長編小説の下巻。完結編。