帝都炎上。妖精たちの侵略。
第4回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作の帝都系異能スペクタクル、大幅スケールアップの第2幕!
帝都を恐怖に陥れた怪人三日月卿事件からちょうど一か月の今日。うだつのあがらない呪い師の僕・病葉久郎が働く怪賊城から、墓場博士が脱獄した。鬼灯機関を裏切り、都を炎上させた異能者が。僕の心中は穏やかではない。墓場博士? そんなやつのことはどうでもいい。僕の妹、病葉夕日が忽然と姿を消してしまったからだ。捜索に向かおうとする僕の前に立ちはだかるのは、異能者による異能者犯罪の摘発集団・鬼灯機関の敵対者――科学の力による異能者撲滅を目的とする団体、千燈機関だった。僕が墓場博士の脱獄を協力しただって? バカ言え、クソッ……! 僕はお世話になっている桜下卿の隠業秘書・思夜さんと怪力少女の小鳩ちゃんの力を借り、夕日ちゃんを救うために逃亡する。だがその僕が行く先々には敵が現れ、戦うことになる。空飛ぶ妖精、巨大な電人、首なしの騎士、そして墓場博士……。どんなに戦いで傷つこうと、絶対に、夕日ちゃんのことは、誰にも渡さない。夕日は僕の愛する――僕だけのものだ。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。