吉本ばなな激賞!一卵性三つ子の三兄弟が湘南の地を舞台に辿る数奇な人生と多彩な恋愛劇「恋人たち」「はましぎ」。
「恋人たち」大学を中退しその日暮らしの長男・道太郎、左翼劇団の演出家・倫太郎、売春宿ローズハウスの女衒・六太郎、一卵性三つ子である中町家の個性的な三兄弟が、鎌倉を舞台に、次々と生起する酒と喧嘩と食と女の魅力ある出来事に翻弄されながらも、、自己の美学を曲げずに懸命に生きる鮮烈な青春群像を描く立原最初の書き下ろし長編。「はましぎ」は、その7年後に書かれた続編である。「鎌倉夫人」は「週刊新潮」に1965年11月から66年4月まで21回にわたって連載された初の連載小説。矜り高き鎌倉夫人・千鶴子の華麗かつ退廃の翳りを帯びた愛欲模様を描き、「純文学と大衆文学の両刀使い」と称された立原文学のきっかけとなった中間小説作品。ほか義弟との束の間の愛に燃えた若妻最後の日々を描いた「流鏑馬」を収録。
付録として長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像2」など関連エッセイ2作収録。「写真でたどる立原作品の世界」では鎌倉鶴岡八幡宮周辺を紹介。
※この作品にはカラー写真が含まれます。