さらわれた皇女と謎多き皇子の平安恋絵巻!
男女の双子の皇女として生まれた純子(いとこ)は、三歳のとき何者かにさらわれ宇治川に小舟で独り流されたものの、川辺を通りかかった老夫婦に保護され育てられた。
十二年後、素性が判明して都に戻されたが、すっかり庶民の娘に育っていることに周囲は驚き慌て、やがて失望する。
そんなとき、偏屈だが書や楽器の名手として知られている兵部卿宮の理登(あやなり)が純子の教育係としてやってくる。無愛想だが教え方が上手く、周囲の女房らのように焦らせることもない理登に、純子は次第に心ひかれていく。
理登もまた、純粋で生気溢れる純子を愛しく思うようになった。
しかし純子の生母・弘徽殿の女御は理登が近づきすぎることを警戒し、二人は会うことを禁じられてしまう。純子が日増しに元気を失っていくことを伝え聞いた理登は一計を案じ…
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さらわれた皇女が宮中に戻ってきた時、眠っていた過去の事件と、秘めやかな恋が動き出す!
田舎娘として育てられた皇女の美しい成長と恋を描く平安恋絵巻!
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。