倒産目前の神社を立て直す一人と一柱の物語。
高校二年の夏、進路調査票によって生徒たちは人生の岐路に立たされる。己の将来に悩み、不安を覚える者たちもいる中、立花孝介はひとり余裕ぶっこいて泰然自若としていた。白狼神社の一人息子である彼の場合、いずれ実家の神職を継ぐことになるのは自明の理……だったのだが、「うちの神社は今、倒産しかけてんぞ?」。父親の突然のカミングアウトにより、我が家の惨状を知ることとなった孝介。そんな折、孝介は白狼神社境内にて、自分を神社の神だという女と出会う。“千谷の雪花狼”と名乗るその女は、神社の経営を立て直すべく、孝介に神官見習いとして、神社に寄せられた願いを叶えていく仕事の手伝いをするよう要請。「こいつ本当に神なのかよ?」と半信半疑ながらも、彼女を手伝うことになる。かくして今、埼玉の地にて一人と一柱の物語が幕を開ける――!!第9回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。