東国へ善鸞を名代として下向させる親鸞。
弾圧、非難と闘いながら、浄土真宗を創始し、あくまでも人間として生き抜いた親鸞の苦難の生涯を描く大作。
第6巻「善鸞の巻」(上)では、東国の浄土真宗に対する鎌倉幕府の弾圧から、信者を守ろうと自ら京に戻った親鸞だったが、時の移ろいの中、越後生まれの娘、そして仏門に入った息子たち、妻の筑前までが、親鸞を残し、越後へ帰っていく。
一方、長男・善鸞は父の元で学び続けてきたが、その教えをとまどい、受け入れかねてもいた。八十歳を超え東国の様子が心配になった親鸞は、自分の名代として、善鸞を東国に下向させるのだが……。