あらすじ幕府崩壊へ。差別された人たちの歓喜と不安。 「改名の件は、左衛門改め内記、願いのとおり改名、これを申しつける」北町奉行の言葉に歓喜する直樹と65人の手代たち。だがその江戸幕府は瓦解の危機に直面し、主戦派と恭順派に分かれて収拾がつかぬままに官軍の東上は進む。幕府に恩を返すべく、隠居の護は新選組の残党と共に甲州へ向かうが……。封建社会の崩壊の中でさまよう、差別された人々の歓喜と不安。果たして彼らの行く手に広がったのは、もはや元の時代ではなかった。