キグルミを盗まれるなんて滅茶苦茶だわ。
「そいつを着ちゃいけない!」
歩は新たに転送されてきた同級生・三月音子にそう告げた。彼女は幸いにもまだキグルミ発見したばかりで着てはいなかった。
気が優しくおとなしい三月音子を殺し合いの渦に巻き込みたくないと考えた歩は、彼女にキグルミを着ないよう説得する。そして、音子を脅えさせないようにサイクを脱いでしまう。しかし歩の隙をついて、他の生徒の意思を操るピエロの策略によってサイクが盗まれてしまうのであった。
歩の失態に呆れながらも赤糸はサイク奪還のため捜索を始める。それを見た音子はビクつきながらも「歩くんは私のために大事なキグルミを盗まれたのだから・・・・・・」と言いながらキグルミを着ていた。
俺があんなに止めた意味は・・・・・と嘆く歩を尻目に、赤糸と音子はサイクを取り戻すために動き始めた――。
夜の病院でクラスメイト同士の殺し合いをさせられる歩と赤糸。一体誰がなんの目的で彼らを閉鎖された病院で集めているのか。
意思を持ち、喋る『キグルミ』とはそもそも何なのか。
そして音子のキグルミに秘められた恐ろしい能力とは!?
謎の生命体『キグルミ』の秘密に迫る第二巻!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。