政略結婚から始まる、大正浪漫の恋物語。
公家華族の娘として生まれながら平民の家で育ち、借金返済の代わりとして、賃金業「大つき屋」の長男・要と結婚した十六歳の千鶴。
紆余曲折を経て絆を深めた二人は、幸せで穏やかな日々をおくっていた。
そんななか千鶴は、友人の小夜と要の友人・幹弥が意識しあっていることを知り、要の絵が飾られている藤美屋で、さりげなく二人を引き合わせようとする。
ところがそこで要がある人物に再会し・・・今まで見たことのない要の表情に、千鶴は動揺してしまう。
今、明らかになる要の過去。そしてそれを知った千鶴は・・・!?
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。