――旅は終わり、終わりが始まる。
――終わりにしよう、と誰かが言った。
――まだまだ終わらぬ、と誰かが言った。
――終わらせる、と誰かが言った。
――続けさせる、と誰かが言った。
――殺してやる、と誰かが言った。
――殺されない、と誰かが応じた。
――戦おう、と誰かが言った。
――戦う訳がない、と誰かが言った。
――何故戦わぬ、と誰かが問うた。
――僕は答えた。
――お前などと戦うものか。お前は殺される側なのだ。
かくして、終わりが始まった。
天才ハッカー・シャテアの解析によりクラブの本拠地である島を発見する。その島は対空ミサイルを備えるなど厳重な武装警備状態で準備を要した。
上陸の前夜、楼樹たちは思い思いに過ごす。
一匹は姉との因縁を、一人は計画を円滑にするための作戦を、一人は思い出を忘れ人間らしさを消していく――そうしなくては勝つことはできないから。それぞれが決意を固め、潜水艦に乗り込み決戦の地へと向かう……。
残る“聖父”はあと四人! 楼樹の果てなき戦いはついに最終局面へ!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。