書評家絶賛の書き下ろしシリーズ、完結篇!
世間が開国で揺れる中、登鯉の父である人気浮世絵師の歌川国芳は、一門の弟子たちと、相変わらずの江戸っ子の稚気と覇気でのんびりと暮らしている。
国芳の描いた浅草寺の〈一ツ家〉の奉納額は将軍の上覧にも与り、江戸中の大評判となる。
しかし、そこに安政大地震が発生、その混乱の中で倒れる国芳、ちまたに氾濫する鯰絵、そして国芳の描いた一ツ家の祟りを恐れる不気味な噂も聞こえてくる。
絵筆を握れなくなった国芳、一門を背負うことになった登鯉、そして弟子たちは懸命に活きる道を模索する。さらには登鯉の、もどかしい恋の行方は?
悲しいのに明るくて、笑えるのにせつない、書評家絶賛の書き下ろしシリーズ、ついに感動の完結!