溝口洋、高校二年。加速する青春の日々!
中学三年の秋、「金剛ヶ峰自転車ロードレース」に参加した溝口洋。その好成績からスポーツ推薦で南雲学院高等部に進学、活躍を期待される自転車部の中心選手の一人となっていた。
しかし、二年に進級した洋の日常は、決して順調ではなかった。気の合った乗雲寮の同室者・浅月翠は英国へと旅立っていき、後釜の同室者には病弱で神経質な後藤恒弘がやってきた。そして洋の自転車部での日々にも静かに暗雲が垂れこめてきている。
それは中三の秋の「金剛ヶ峰自転車ロードレース」に端を発していた。現キャプテン・南雲真一と最後のゴール地点まで激戦を演じた洋。しかしそこで起きた出来事は、洋の心に決して癒えない傷となって刻み込まれてしまった。そんな洋の自転車部でのポジションは下がり、親友・田村岳との間も気まずくなっていく。そして幼なじみの多恵との間にも小さな間隙が開いてしまった。
悩み苦しみ抜いてペダルを踏み続ける洋。復活のきっかけは訪れるのか?
大河自転車小説第2弾、もがき苦しむ青春群像を描く高校生編。