著者・牧阿佐美は、橘バレエ学校と牧阿佐美バレエ団の設立者・橘秋子の愛娘。新国立劇場舞踊監督、新国立劇場バレエ研修所の所長を務め、日本のバレエの発展に力を尽くしました。文化勲章を受章し、2021年10月に死去。本書はそのバレエ人生の回顧ですから、日本のバレエを形成した母と娘、橘秋子と牧阿佐美のすべてが分かります。また、戦前から現在にいたる日本のバレエの流れをその場で体験するように理解できます。牧阿佐美は20世紀最大のバレリーナ、ダニロワの愛弟子であり、バレエ教育の第一人者ですから、バレエ教育においてもっとも重要なことが分かり、バレエの核心である音楽性がどのようなものか深く理解できます。