あらすじ葉桜の季節。常連でかまぼこ屋のご隠居・惣兵衛は、女房のお冬に、「あなたのお気持ちは、『ぶり』と思ってたら『かます』でした」と言われ、頭を抱えている。最近は、自分が贈ったかんざしを挿していないことも気がかりの様子だ。一方お高は、想い人の作太郎と寄席に出かけ、帰りに寄ったそば屋で思い出の料理について語り合うが……。かますの一夜干し、あさりのむき身と三つ葉のかき揚げにねぎ坊主の天ぷら、小竹葉豆腐、あずきのぜんざい。常連たちの悩みも新しい客の気持ちも懐深く受け止める、シリーズ第六作。