十津川警部、最後の事件!SLやまぐち号の5号車と乗客32人が消えた。事件発生前、JR山口線を旅していた亀井刑事は、寺の住職から、ある現代女性が高杉晋作に綴った恋文を託されていた。一方、十津川は、消えた乗客名簿の中にアメリカ出身の会社経営者を発見する。この会社から身代金らしき2億円が何者かに渡されたことが判明。事件解決かと思われたが、乗客一人の遺体が発見される。十津川は、事件解決のヒントが、謎の恋文にあることを突き止めるが……。捜査で浮かび上がったのは「奇兵隊」をめぐる悲運の物語だった。2022年3月に永眠したベストセラー作家、西村京太郎の絶筆。