論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「あやつり裁判」際どい裁判のたびに証言台にたつ謎の美女。はたして何者?名探偵の青山の推理が冴える。驚愕の真相を暴く。「石塀幽霊」ある暑い昼下がり、大きな屋敷の家政婦が殺された。逃げていく犯人を二人が目撃するものの、なぜか消えたようにいなくなってしまう。新人巡査が推理するが犯人はわからない。名探偵青山が解決する。「動かぬ鯨群」一年前に沈んだ捕鯨船の北海丸。それは鯨の祟りなのか。沈没した砲手の未亡人の元に現れたのは幽霊か。しかし誰かに殺され本当の死体となってしまう。手がかりを追って大海に乗り出す。水産試験場の東屋の鮮やかな推理。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。