「ぼくの公爵夫人になってほしい」幼なじみのセシリアに、やっかいな問題を解決してもらうのに都合がいいとプロポーズした公爵ジェイムズ。彼に本当に恋していたセシリアは断るが、今度はドイツの王子がセシリアに言い寄ってきて……【あらすじ】変わり者の大おじが亡くなり、公爵位を継いだジェイムズは、継承した屋敷を初めて訪れた。今までは大おじが、かたくなに中へいれてくれなかったのだ。ところが、やっと入れた公爵邸はごみ屋敷と化していた。重要なものも何もかもがごたまぜの屋敷の整理という難題に見舞われたジェイムズは、幼なじみで財産管理人の娘セシリアにプロポーズすることを思いつく。ジェイムズが父を亡くした15歳の時から、なまけものの父に代わってセシリアが働いてくれていたため、彼女に頼めば問題はすべて解決するはず、と思ったジェイムズだったが、思いがけず断られてしまう。セシリアは長年ジェイムズに恋しており、そのような結婚は受け入れられなかったのだ。そんな時、ドイツの小国の王子がロンドンを訪れ、セシリアに興味をいだく。そのせいでセシリアは一躍、社交界の人気者になってしまう……。公爵の思い描く“理にかなった”結婚のゆくえは――?