甲子園出場辞退、ドラフト外からのプロ入り、球団に反旗を翻しての退団、国会議員としての政治活動、突然の胃ガン宣告など、履歴書の枠には収まり切らない波乱万丈の人生を送ってきた著者が、団塊の世代へ捧ぐ。死を覚悟したガン宣告から見つけた、「サヨナラ」の場面を、楽しむ方法。著者は、以下のように述べています。死を覚悟する年齢を迎えた団塊世代を始めとする高齢者が、今の世の中をどのように生きていくか――。それが本書のテーマとなる。70歳を過ぎてまで、ストレスを感じるのは避けたい。老後ぐらい、好きなことをして、充実した日々を過ごしていきたいものである。私自身は小さなイライラやストレスはあるものの、老いを楽に生きることができている。「ガンになったおかげ」とは軽々しく言いたくないが、私は死が現実的に見えたことによって、1日24時間を大切に使うようになった。人生の終わりが見えるからこそ、悔いを残したくないものである――本文より著者について江本孟紀(えもと・たけのり)1947年7月22日生。高知県出身。高知商から法政大、熊谷組に進み、1970年東映にプロ入り。その後、南海、阪神でプレーし、いずれの球団でもエースとして活躍した。「エモやん」の愛称で親しまれ、ファンの記憶にいまだ残る名投手。引退後も、そのスマートな風貌と歯に衣着せぬ発言で人気を博し、メディアで活躍する一方、1992年には参議院議員に初当選し、政界入り。スポーツの普及活動や教育問題などに奔走し、2001年には参議院の初代内閣委員長に就任するなど要職に就いた。現在は、野球解説、講演会、執筆活動、野球界の底辺拡大等に力を注いでいる。