人死にがあったところに霊が出るのはわかりやすい話だが、「店」というのもまた怪とは密接な間柄にあるということをご存知だろうか。人と金が集うところ、怪あり…と言っても過言ではない。食欲、性欲、金銭欲、そこにはありとあらゆる欲が渦巻き、負の念が逆巻いては躍りくねり、訪れる者を飲み込もうと待ち構えている。楽しげに食事や買い物をする我々のすぐ横で、闇はぱっくりと口を開けているのだ……。飲食店から水商売、コンビニからクリーニング店まで、恐怖箱の人気怪談作家陣が「店と客、商売に纏わる怖い話」をテーマに今年も絶品恐怖を集めてきた。真の怖さを競う年に一度の実話怪談アンソロジー!※本コンテンツは単行本「恐怖箱 怪客」に収録の『千客万来』『日曜の夜、あれがくる』と同一です。