名門・二松学舎高校野球部――。毎年、激戦区・東京で上位に勝ち上がり、選抜甲子園は準優勝を含め幾度も出場している。過去、夏の東東京大会の決勝に進出すること10度。しかし、そのすべてで、ことごとく敗れ去ってきた。夏の甲子園出場は二松学舎の夢、悲願だった。そして、遂にその時はやってきた――。2014年7月、東東京大会決勝の相手は宿敵・帝京高校。今まで決勝の舞台では、二松学舎の前に3度も立ちはだかり、その都度跳ね返されてきた高くて強大な壁だ。だが、延長10回の激闘の末、鬼が率いる軍団を打ち破り、11度目の挑戦で初めて悲願の夏を手にした。半世紀に及んだ涙の歴史に終止符を打った1年生トリオ。3年生になった彼らの、最後の夏が始まる――。青木久雄(日大三高・二松学舎高校元野球部監督)前田三夫(帝京高校野球部監督)小倉全由(日大三高野球部監督)仲村恒一(日本大学野球部監督)荒木大輔(元早稲田実業野球部投手)米澤貴光(関東一高野球部監督)ほか、二松学舎高校野球部の全面協力のもと描き上げた、高校球史に残る壮大な人間ドラマ!