「お前にはもう飽きた。日本へ帰れ」 元・麻薬取締官の竜野真紀は、香港と日本の闇組織間で行われた大規模な麻薬取引の摘発に失敗し、混乱の最中、香港マフィアの王に攫われて、囚われの身になっている。しかし、強靭なように見えて脆い王を、最近では支えたいと思うようになっていた。そんな真紀の想いとは裏腹に、王から残酷な命令が下される。 「飽きたから捨てる」 冷たい王の言葉に反発し、側に残ることを訴える真紀だが、そのまま身ひとつで九龍市街に放り出されてしまい……!! 迫り来る巨大な運命に翻弄され、押し殺してしまった、孤独な男の真実の想いとは――。