結婚してすぐに夫を戦争で亡くしていたジュリアナは、弟の結婚相手を探すために叔母とロンドンへ向かうが、道中で馬車が事故を起こしてしまう。そこへ通りがかったオーブリー侯爵と友人が彼女たちを助けてくれるが、傲慢な態度にジュリアナはむっとする。ところがその直後、頭を打っていた彼女は侯爵の腕の中で気を失ってしまう──。それから馬車を直すまでの数日間を一緒に過ごすうちにジュリアナは侯爵の快活で優しい一面を知り惹かれていく。そして、ついにふたりは月夜の晩に春の香りに満ちた庭で口づけを交わすが、侯爵は彼女が亡き戦友の妻であり、自分が恋焦がれていた“理想の女性”だと知ってしまい……。(ほか1篇を収録)