あらすじ天下統一を果たした秀吉は、次なる道を明国征服に定め、足がかりとして朝鮮出兵を企てる。小西行長らは無謀な計画を阻止しようと画策するが、秀吉の妄執を抑えることはできなかった。天正二十年四月、行長の第一軍が釜山に上陸。三国の兵が交錯し数多の命を奪い合う、地獄の戦の始まりだった。甚五郎は、行長への武器兵糧を積んだ船で渡海することに……。激動の世に高潔な生が瞬く歴史巨編。(解説・佐久間文子)