あらすじ黒沼家に後妻として朋子が嫁いでから十三年目のある日、突如“先妻”の恒子が姿を現わした。夫や子供たちは、恒子と秘かに会っていたらしい。恒子が置いて行った二人の子供を一人前に育て、舅姑の世話をし、夫から愛されていると信じていた十三年間は何だったのだろう――。平穏に見えた家庭の裏の様々な感情のもつれが、“先妻”の登場によって顕わになる。ある一家の崩壊と再生の物語。