あらすじ波濤荒れ狂う荒涼とした海峡で発生した殺人事件を執拗に追い続けた、函館署の弓坂吉太郎。そして十年の後、杉戸八重殺人犯の捜索にあたることになった舞鶴東署の味村時雄。両刑事の執念が実を結んだ時、謎の人物、犬飼多吉こと樽見京一郎の実像が浮かび上がる……。青函連絡洞爺丸沈没の海難事故に想を得て、雄大な構想で人間の宿命を描き切った長編ミステリー小説。